読書感想:「2018年の世界~2時間でつかむ経済・政治・ビジネス、今年の論点~」 沈みゆく日本の現実を直視しよう。
大前研一さんの本をよみました。
すごく良い本だったので、紹介します。
どちらかと言えば、日本の悪い所に焦点を当てて、没落しゆく日本の問題点を挙げ、これから日本はどうすれば良いのかを述べています。
やはり、日本は変わる必要があるんですよねぇ....。ここままでは、世界との差は開くばかりです。
でも、そう簡単には国は変われないんですよね.......。
特に日本って、国民性が保守的なので、あんまり大きく変わるという事は無さそうですえ。期待できません。
この本を読むと、「日本て徐々に終わっていくんだなぁ......」という残念な気持ちがわいてきます。
そんな現実を知るためにも、ぜひ読んでみましょう。かる~く読書感想を残しておきます。
プライムリーディングで読めます。
大前研一 2018年の世界?2時間でつかむ経済・政治・ビジネス、今年の論点?(大前研一ビジネスジャーナル特別号) (大前研一books(NextPublishing))
- 出版社/メーカー: good.book
- 発売日: 2018/01/26
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
目次
ホントは全部引用して紹介したいんです。それくらい面白いですから。
が、それだと著作権違反になってしまいます。
なので、チャプター1の所から、面白かった所を引用します。
ここだけでも、日本が沈みゆく国であることが分かるはず。悲しい......。
ぜひ、読んでみましょう。
chapter1:総論ー「没落国家日本」がはっきりと位置付けられた
まず、日本はこれから没落国家していくようです。やれやれ、残念ですなぁ......。
政府寄りの経済学者とか、政権を握っている自民党などは、あまり口にしません。
が、一般市民が抱いている「ぶっちゃけ、日本ってこのままだと微妙だよねぇ」という感じは、事実の様です。
世界的な低欲望化。不況が影響?ミニマリストが普及しているせいか?
今や世界全体が低欲望社会化しつつあるという現象が見られ始めた、これが2017年の特色だと言ってよいでしょう。世界的にものすごくお金が余ってきており、これを消化しないという状態が、米国にも欧州にも、また世界全体に広まりつつあります。「金利が安くお金がだぶついているので借りて何かに使う、運用する」という時代ではなくなってしまったのです。人間の金に対する欲望というものが従来とは全く異なってきていて、これまでの20世紀の経済原論はもはや通用しない。
まず、世界に目を向けると、人々が「低欲望化」しているとのことです。
コレ、すっごく共感だなぁ~。
よく日本では「若者の〇〇離れ」とか言われますが、世界でもそれが起こっているようです。
日本だと、今の20代~40代の人は、不況の中で生まれ、育っています。
バブルがはじけて、失われた10年と呼ばれる時代も経験していますし、10年前にはリーマンショックもありました。
特に、今の40代の人は、「就職氷河期」で働く場所が無い時代を通って育っています。
僕は20代ですが、ニュースでは不況不況ち言われ、それを見て育っています。そのせいもあって、ブランド物の服が欲しいとか、家を建てたいとか、家族を持ちたいとか、そういう欲は無いですね。おそらく、多くの日本人に共通しているでしょう。
その裏付けとして、今の日本では「ミニマリスト」という人間が増加しています。
最低限の物しか持たないミニマムな暮らしをする人々を指す言葉ですが、コレが「低欲望化」の現れと言えるでしょう。
でも、この生活スタイルは、すご~く理に叶っているんですよね。
モノが少ないと、どこでも寝れて快適だし、目の前がスッキリしていると心もスッキリするんですよね。僕も体験済みですけど、間違いないです。
世界的にも、やはりモノを買わない持たない人が増えているようです。
いずれ、ヨーロッパは最近そんなに調子が良くなかったし、アメリカもローン問題が浮き彫りになり、「低欲望化」の影響の一つになっているのでしょう。
そして、ネットの発達でモノを買わなくても幸せに暮らせるようになりましたね。コレは世界共通ですよね。
映画はネットで観れるし、Amazonで買ってクロネコさんが運んでくれるから車も要らないし.....モノが少なくても暮らせる社会が出来つつあります。
ぶっちゃけ、モノってそんなに要らないんですよね。日本でも世界でも、それに気づき始めているということでしょう。良い事です。
そういう意味で、「20世紀の経済言論は通用しない」と述べています。
まぁ、それはそれで良いんじゃないですかね.....。というのが僕の意見です。
モノを買わなくても、そこそこ幸せに暮らせるなら、ムリして使わせる必要もないですし......。
なので、ムリしてお金を世の中に出さなくても良いでしょう。低金利でお金を流しても、効果が無いのはそういう所です。
日本と中国の差は広がるばかり。
産業界に目を向けると、こちらも2017年は大きく潮目が変わった年でした。以前から言われてきたデジタル・ディスラプション(技術革新による既存産業の創造的破壊)が、2017年になって結果を出し始めてきました。AIやIoTやビッグデータなどをフル活用した会社が高い時価総額を出すようになり、世界の時価総額トップ10の会社のうち7社がそういった会社です。中でも中国企業の躍進は目覚ましいものがあり、米国と覇権を競う構図になっています。
ですから、2017年を振り返ると、これまでに比べて中国と日本の格差が非常に明確に現れたと言えます。
ほほう.......。やはり中国の勢いは物凄いですな......。
そして、日本と中国の差はさらに広がるとのこと......。コレは悔しい事実ですな......。
未上場で想定時価総額が10億ドル以上の企業をユニコーン企業と呼びますが、米国には108社あり、中国にはなんと58社もあります。(中略)
日本には数社(メルカリ、DMM.com、プリファード・ネットワークス)しかありません。世界10大ユニコーン企業を見ても中国企業は4社もランクインしていますが、日本の中でこれから世界へ躍り出るような期待値の持てる会社がほとんど見つからないのです。(中略)
私は以前から「このまま行けば日本は、ポルトガルやスペインのように400年衰退する、そういう長期没落が続く国になるぞ」と言ってきましたが、2017年はそのことが明確に決定づけられた年だったと言えるでしょう。
あぁ......。こうやって数字に出すと、中国との差は明らかですなぁ.....。
未上場で想定時価総額が10億ドル以上の会社を「ユニコーン企業」と呼ぶそうです。知りませんでした。ロックバンドのユニコーンと関係があるのでしょうか?
いずれ、日本には3社しかないのに、中国に58社もあるのか!これだけで、もう差は歴然としているのが分かりますね。
まぁ、もちろん人口が多いのも影響していると思いますが、人口が日本の約10倍なのに対して、「ユニコーン企業」の数は20倍ちかくありますからね。やはり、差は大きいです。
このままいくと、日本は400年没落してしまうかも.......。ポルトガルやスペインが、今どういう状態なのかは分かりませんが、怖いですね。
そして、そんなに長く沈んでいると、もう戻って来られないかも....。アメリカから見放され、中国にどんどん飲み込まれ、外貨を稼げず石油も買えない......。という日本になってしまうかも......。
労働者しか生み出さない日本の教育の問題点。
今の日本の教育制度は20世紀の大量生産・大量消費時代における中の上くらいの人材を大量につくるものでしかありません。エッジの効いた変わった人材、尖った人材をつくり育て21世紀の経済をシェイプしていくような仕掛けが全くないのです。
そのことに気づいてからそういったシステムづくりに着手しても、効果が見えるまでには20年かかります。日本の今の病だと言えますが、これは治らないと私は思います。
はい、やはり教育に問題があると指摘しています。21世紀の社会を作っていく人間を作れないと.....。僕もそう思うなぁ......。
僕も最近まで学校に行っていました。よく言われる事ですが、学校ではみんなで何かをする事が求められます。
食事もみんなで食べますし、みんなで歌を歌って賞を取りましょうというのが流行りになるし、どこかに行く時も集団行動が求められます。
コレが直接関係しているかは分かりませんが、やはり個性を持った尖がった人間を育成する教育にすべきでしょう。
そもそも、労働者は収益性の高いビジネスがあって、初めて役に立つ存在です。ビジネスを生み出す人が最初に必要なのは、言うまでもありませんね。起業家なくして労働者は無いんですよ。
これからは機械の発達で労働者は要らなくなります。そういう意味でも、個性的でアイデアに富んだ人材を育てた方が、日本的には良いはずです。
そもそも、労働者なんて単純作業に当てはめれば、いくらでも育ちますよね。
小さい頃から輪を重んじる教育に、子供たちを犠牲にするのは勿体ないですね。
日本はけっこう保守的な国民性なので、変わる事は無いかもねぇ.....。やれやれ.....。
海外の起業家から見ると、日本は既に魅力的ではない。
自力で治せないのであれば、世界中から変わった人材を呼び込んで何かやらなければならないのですが、日本の場合、これもまた打つ手が不足しています。ドバイ、アブダビ、シンガポールなど、世界各国が競ってものすごいお金をかけて起業家を自国に招くような施策を行っていますが、日本がやっているのは「起業するなら半年在留資格をあげましょう」「いやそれでは足りないから1年にしよう」といったレベルの論議です。
世界の優秀な人材はみな日本に来たがっているのだと、まだうぬぼれているのです。今の日本には何が足りないのかということについて、全く自己分析ができていないと思います。
んで、外国からスゴイ人を呼べばいいんです。
が、日本は本気でそれをやっていないそうです。
そして、外国の優秀な人は、もはや日本には来たがっていないと述べています。
もう日本は魅力的な国では無い、という事ですね......。でも、政治がそれに気付いていないんですね。
起業家を育成するわけでもなく、外から呼ぶ訳でも無い。そして、日本はまだイケてると思っている......。コレでは、そりゃ沈んでいきますよね。
僕はどちらかと言うと、移民政策には反対です。が、優秀な人はどんどん呼ぶべきだと思っています。
さっきも書きましたが、労働者はどんどん要らなくなってきます。言われた事をするだけの人は、居てもムダになるんです。
必要なのは、新たなビジネスを生み出せる人なんです。そういう人を、国をあげて積極的に呼び込みましょうよ。
現在の安倍政権には、ぜひそちら側にシフトしていって欲しいなあ.......。
最初の部分から、面白いなぁと思った部分や、共感した部分を引用し、紹介しました。
この後にも、日本が徐々に衰退していくことが述べられています。ホント、凄く面白い本なので、読んでみてください。