映画感想:『クローズZERO』脇役が完璧な不良映画の頂点
これだけ面白い不良映画を僕は知らない。笑えて、友情に熱くなり、不良への憧れさえも抱いてしまう。
そして、この映画は脇役が凄く良い働きをしている。その点に注目しながらレビューしていく。未見の方は是非。
監督:三池崇史
キャスト:小栗旬、山田孝之、桐谷健太、高岡蒼佑、高橋努、遠藤要、黒木メイサ、やべきょうすけ、他
<テキトーにあらすじ>
不良偏差値トップの通称カラスの学校・鈴蘭高校に転校してきた滝谷源氏。
同じく鈴蘭出身で、頂点にあと一歩まで迫った暴力団組長の父を超えるべく、やって来た。
しかし、一匹狼な性格のせいか、なかなか人を束ねられない。
そして百獣の王と呼ばれる芹沢が鈴蘭制覇に迫っていた。
源氏は鈴蘭出身でチンピラの片桐の手を借り、伊崎、牧瀬、田村らを味方にする事に成功。彼らと共に、鈴蘭制覇を目指す。
<感想>
不良偏差値トップの通称カラスの学校に入学した滝谷源氏が、頂点を目指して仲間たちと闘う不良映画。所々に笑いが散りばめながら、不良たちの構想を映画いている。「こんな青春も良いなぁ」と思ってしまう映画だ。
源氏が鈴蘭を制覇するために、敵対する芹沢軍団を倒すという、いたって単純なお話し。主人公の滝谷源氏に目が行ってしまうけど、僕は脇役たちがとにかく素晴らしいと思う。
その脇役の中心となるのが片桐拳。源氏の父親の組と対立する暴力団の構成員。この男が源氏にアドバイスをする事によって、源氏は頂点に迫るのだ。いわば、彼無しではこの映画は成立しないのだ。
芹沢に仕返しをするために子分たちを連れて鈴蘭に来るシーン。兄貴のクセに「ジュース買ってきてもらえますか?」とパシリにされてしまう。何で舎弟に命令されてんだよ(笑)!
しかし、この拳が色々あって源氏に対して物凄い良いアドバイスを送る。そのおかげで、源氏は鈴蘭制覇に近づいていく。
忠太を倒して仲間にした後、牧瀬を仲間にするシーンが特に面白い。女にモテない牧瀬を合コンに誘い、失敗に終わる。しかし、牧瀬はその姿勢を買い仲間になるのだ。コミュ力の無い源氏では無理だっただろう。ちなみにこのシーンでの牧瀬の「ロべ、ロべ、合コン」はかなりの名言。
その後、超キレ者の伊崎の卑怯な手に騙されてしまうも、何とか仲間にすることに成功。拳さんの無しでは無理だったのだ。
一方、組ではさっぱり使えない様子。アガリを他の組に横取りされて説教される。そして、敵対する組織の息子である源氏を殺せと命令される。
しかし、拳さんはそれを断るのだ。拳さんもカッコいいところを見せるんだよ。
その他、クールでキレ者の伊崎。コイツは口数は少ないけど、喧嘩はとにかく強い。超過濃いい男なのだ。
牧瀬は結構アホだけど面白い。合コンのシーンなどで馬鹿を見せるて笑わせてくれるけど、源氏の大きな力になってくれるのだ。
敵の方では、百獣の王と呼ばれる暫定チャンピオンの芹沢。山田さんに関しては僕が言及する必要は無いね。
その相棒の時生。実は源氏の友達でもある。病気のために乱闘には参加しないけど、十分良い味出てるぞ。
三上兄弟はお笑い担当。「三年のトップ決めようぜ」と芹沢に挑むも呆気なく敗北。軍団入りしてもそのキャラで笑いを誘う。
個性あふれる脇役たちで、この映画は出来ているのだ。滝谷のキャラよりも、脇役の凄さが目立ってしまう。特に拳さんの活躍に注目だ。
ちなみにこの記事で大絶賛した片桐拳役のやべきょうすけさん。闇金ウシジマくんでは山田孝之演じるウシジマの子分的な存在の江崎役として出演している。誰かの下的な役じゃないとダメなのかな(笑)?
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