映画感想:「アイズ」 役者、ストーリー、結末すべてが良い日本ホラーの傑作。
元乃木坂46のメンバーが主演した日本ホラー。
「アイドル推しのクソホラー映画かな?」と心配しましたが、ストーリーが非常に良くてビックリ。キャストの演技もワザとらしさが無くて白けずに観れました。こんな出来のホラーを作って欲しいです。
おススメ度:★★★★★
アマゾンプライムビデオで視聴できます。
目次
基本情報
2015年/日本
監督:福田陽平
キャスト:伊藤万里香、おぞねせいこ、山田太一、中川慶次、他
上映時間:1時間35分
あらすじ
女子高生の由香里は家族と普通に暮らしていた。
家の表札に謎の文字が書いてあり、由香里の母がそれを消すように言うが、由香里に書いた覚えはない。
ある日、由香里はバスの事故で友人を失う。
その日から、由香里はある女の姿を見るようになる。
そして、父親が失踪してしまう。由香里はその時に女が父を連れて行くのを見かける。
由香里は同級生の力を借りて父を探すが、父には由香里が知らない秘密があった。
その父の秘密は、表札の文字や、謎の女と関係があった.....。彼の過去に一体何が.....。
感想
moviecollectionjp YouTubeチャンネルから引用
ちょっと雑な所はあるけど、ストーリーとオチがしっかりしていました。怖がらせる工夫も良く、夜中に一人で部屋を暗くして観たおかげもあるでしょうが、背中がゾワゾワしましたよ。
そして、主演の伊藤万里香の演技がスゴイです。
感情表現が特に良くて、クールに言う場面と泣いたり悲しんだりするシーンで、ワザとらしくなく、ちゃんと感情を出せています。その辺のアイドルとは違いますね。
その時はまだアイドルでしたが、これだけ演技が出来るのはスゴイですね。ぜひ、これからも活躍して欲しいです。
ストーリーもオチもしっかりしてますよ。
日本の、しかもアイドル主演(当時)のホラーながら、ストーリーに見ごたえがありました。
しっかり謎を持たせて、しっかりラストでそれを説明して、「おっ、そういう事ね!」と納得させてくれます。まずは、そこに触れたいと思います。
最初に出て来る「表札のFの文字」。コレは、最初はただの落書きだと思われていました。しかし、徐々にそうでも無いという事になります。この文字が、話のカギを握ってきます。最後にこの文字の意味が分かるんですが、上手いんですよね、この辺が。
主人公、由香里の友人がバスの事故で亡くなります。この時から由香里は、髪の長い不気味な謎の女を見ることになります。この女は何度か由香里の前に出てきて、「この人は誰?」的な謎を持たせます。でも、最後の方で、この人の存在の意味も、上手く回収されます。
由香里には弟の翔太がいました。しかし、あまり親から可愛がられている様子もなく、母親からは「翔太はいない」とまで言われます。アレレ.....ってなりますけど、これもラストへの布石な訳です。この辺からジワジワと不気味さを持たせて、怖さを出している訳ですね。
そして、ある夜、その謎の女は現れます。その女は父どこかに連れて行ってしまい、父は失踪してしまいます。由香里は、その女が父を連れて行くのを見ます。
由香里の母親は、父の失踪などで疲れてしまいます。母は、由香里がおかしくなったと言い、精神科に連れていきます。医者は、事故のショックで起こるPTSDの可能性が高いと言います。
しかし、由香里は同級生の力を借りて、父の行方を追います。文字の意味や父のパソコンの情報から、一つの製薬会社にたどり着きます。
そんで、ちょっとずつ父に近づく由香里でしたが、その父には思いもよらぬ秘密がありました。父の失踪には、その秘密が関係していて、由香里の前に現れる女と、弟の翔太は関係がありました。表札の文字の本当の意味は、この最後の最後に明らかになります。
この意味が分かった時、ホントに悪い奴が明らかになります。このオチの付け方も上手いですね。ホラー、サスペンスのお手本です。
良い意味で期待を裏切られました。アイドル、しかもホラーということで、「どうせペラペラの紙みたいな薄っぺらいストーリーにクソみたいなオチなんだろ」と見下していました。が、けっこう面白くてビックリです。
伊藤万里香の今後に期待
さてさて、もう一つこの映画の良い所は、主演の伊藤万里香の演技です。
アイドル主演のホラー映画って......。それ、失敗するに決まってるじゃん......。
特にアイドルの演技は期待できません......。セリフは棒だし、まったく怖く無さそうだし、「キャー」っていうだけで、全く怖さがないし、白けるんですよね...。
まぁ、別の意味で面白いですが、僕はアイドル主演のホラー映画が公開される度に、「また1,000円騙し取られる人が増えるよ~」と心配になります。
でもね、本作は良い!特に主演の伊藤万里香が良い!お金を払う価値がある。
感情の変化が激しく、難しい役でしたが、ごくごく自然に演じていました。主演の彼女がしっかり怖さを表現できたことは、この映画の見所です。
由香里は元々大人しい性格でしたが、友人の事故死や父の失踪、謎の女の出現で、徐々におかしくなっていきます。
ラストでは全ての真相にたどり着き、恐怖と悲しさが混じった、何とも言えない表情を見せます。コレも難しいと思うんですけどね。よくやりましたよ。
アマゾンプライムビデオで視聴できます。