ニートの平日

地方国立大卒ニートの生活記録。「え、ニートに平日も休日もないだろ....」という下らない日記です。

読書感想:「未来の年表 人口減少日本であなたに起こること」 人口減少で自分に起こる事を具体的に記した本。

ベストセラーになった「未来の年表 人口減少日本で起こる事」の第二段を読みました。

 

今回は「あなたに起こること」というタイトルです。

人口減少や少子高齢化などが、自分の身の回りでどんな影響を及ぼすのかを書いています。すごくイメージが沸きやすいです。

 

これから日本で生きる人が知るべき事が書かれています。ぜひ読んでみて下さい。

 

 

目次

 

食卓から野菜が消え、健康を損なう

なぜこんなに高いのか

 

2018年冬、政府に「非常事態」を宣言してもらいたくなるような水準にまで、野菜の価格が高騰した。「食べたいけど、鍋物は諦めようかしら・・・・・・」などと、スーパーの野菜売り場で値札とにらめっこした人も少なくないだろう。

 

東京中央卸売市場で2018年1月の卸値を見ると、ダイコンやハクサイは平年の2~3倍、ほうれん草、レタスといった葉物野菜やキャベツといった重量野菜も、平年に比べて異常な高値が続いた。

 

2018年は、国産野菜の価格は春先になって落ち着きを取り戻したが、こうした高騰ぶりは全国的かつ毎年のようにみられる。

 

食卓を彩る野菜がたびたび高騰するのは、台風や長雨、寒さといった天候不調によるところが大きい。収穫期に産地を直撃すると、せいさんりょうが大幅に減り、それがたちまち価格に反映される。たとえば、2017年10月に上陸した台風21号は、東海地方から関東地方を抜けていったが、そのルートを冬のレタスやキャベツ、大根などの大産地が広がっていた。供給量が減ったまま回復していないのだ。

 

地球規模での異常気象が伝えられる現状では、農産物の価格高騰が収束することは考えづらい。

 

まず、皆さんの生活に最も関係する部分から。

家庭から野菜が消えるとは、すご~くパンチのあるワードですね。

「ええ、まさか」と思うかもしれません。

でも、次の部分を読んでいくと、それが実現しうることが分かります。

 

 

農業を営む8割が60代以上

 

ところで、野菜の高騰に人口問題が深く関わっていることをご存知だろうか?少子高齢化こそ、高騰の”主犯格”と言っても過言ではないのである。

 

農水省の、「食料・農業・農村白書」(2017年版)を見てみよう。国内の経営耕地面積が30a以上、または年間の農産物販売金額が50万円以上の農家数は、2015年は133万戸と10年前(2005年)の196万戸と比べて、32%の減少となった。組織経営なども含めた全体で見ても、一貫して減少傾向で推移してきた。

 

農業従事者の平均年齢を見てみると、1995年には59・6歳だったが、2005年には64・2歳となり、2015年には67・0歳と高齢化が進んだ。跡継ぎが農業以外の仕事に就いたり、そもそも跡継ぎ自体がいない農家もいたりするということだ。

 

結果として、65歳以上が全体の65%と、3人に2人を占めるに至っている。対象を60歳以上に拡大したら、全体の約8割に及ぶ。

 

問題は農業従事者が減り始めたり、単に高齢化が進んだりしたことだけではない。一口に農業と言っても、生産する品目はここ二違うわけだが、あまりに稲作に偏っていることが問題なのだ。

 

政府が稲作のほうを推進してきたこともあって、恒例の農業従事者が稲作に携わる傾向が強く、稲作従事者における65歳以上の割合は、1995年の50・9%から、2015年には76・5%を占めるに至った。極めていびつな構成だ。

 

実は、野菜は農産物の中でも特に栽培の手間が掛かる。田植えから収穫まで一貫して機械化が進んでいるコメとは異なり、農機具の機械化はかなり遅れており、いまでも人手に頼って一個一個収穫するのが周流だ。こうした負担が、生産量の伸び悩む大きな原因となっているのである。機械化が進まなければ、高齢者にとっては体力的にきつい。人口が減って収穫作業などに応援を求めるのも困難となってきた地域では、機械化が進む稲作に専念する方向へ向かうだろう。

 

野菜の価格が落ち着かないのには、実は少子高齢化が関わっていたんです。

まず、農業に従事する人が減っているそうです。

10年で32%の減少とは、かなりの減り幅ですなぁ....。

このまま行くと、生産者が居なくなるのもそう遠くないかも....。

 

また、農業に関わる人の高齢化も進んでいて、2015年時点で平均が67歳になっているそうです。

手伝った事があるので分かりますが、農業はすごく肉体的にきつい仕事です。

それを、もうすぐ70歳になる人が多いとは、この後どうなるでしょうか.....。

 

そして、野菜の栽培の機械化が進んでいません。

これは知らなかったので驚きでしたね。

確かに、田植えはトラクターで一気に植えられます(稲を運んだりトラクターに積んだり片付けたりは手作業で、重くて大変ですが)。

しかし、野菜は重いしです。一つ一つも大きいです。

それを植えるのから収穫するまで手作業で行うのは、肉体的に辛いですよね。

 

その上、農業従事者の年齢が上がっています。

それ故に、野菜の栽培は余計に負担になるのです。

この説明の読むと、「食卓から野菜が消える」というのは、すごく現実的に思えます。

 

次郎ラーメンにも王将の野菜炒めにも、サイゼリヤのエビサラダにも、野菜が無くなったら食べられませんよ......。恐ろしい世の中ですね。

 

 

生産野菜の輸入量は減少

 

野菜生産に取り組んできた農家も高齢化が本格化し始め、今後はますます野菜づくりをする農家が減ることも予想される。

 

実際に、冬の高値であったキャベツやハクサイ、レタス、ホウレンソウなどの葉物野菜やダイコン、ニンジンなどの根菜類といった露地野菜の生産者数も年々減少傾向にある。年齢高齢を見ても、1995年には65歳以上は全体の38・1%だったが、2015年には58・3%を占める。とりわけ重量の起き居ダイコンやハクサイなどの収穫は重労働であり、生産量はじわじわと減少してきている。農水省の調査対象となる主要な野菜全体の生産量では、1985年の1516万tから2016年の1318tへ、13%も減少している。

 

機械化による大規模農業がなかなか進まず、既存農家への高齢化も進んできた。物流は複雑で、しかも生産者の高齢化は、予期せぬ天候不順への対応を難しくさせている。擁するに日本の野菜生産は、求められる消費量に対して、精いっぱいの生産量で何とかしているという”ギリギリの状況”に置かれている。生産量に余裕がない分、コストを十周する「ゆとり」もなくなる。これでは、少しでも天候不順などがあると、たちまち品薄となり、即座に価格に反映してしまうのも当然である。

 

近年、野菜の高騰が頻繁に起こっている裏側に、こうしたカラクリがあったことを知っれば納得もいく。

 

農業従事者の減少や高齢化は、確実に野菜の収穫量を減少させています。

 

十分な生産力が無くなった結果、生産高もギリギリになります。

ゆえに台風が来るとスグに価格に影響が出るという、我々の暮らしに悪影響を与えます。

 

85年から16年の間に13%も減っているのは、もはや世紀末と言っても良いのでは。真面目に。

 

野菜というのは、我々に必要な栄養素を与えてくれる食べ物です。もし無くなったら.....考えるだけで恐ろしいですね。

 

 

中小企業の後継者不足が、大企業を揺るがす

 

経営者が高齢化するほど売り上げは落ち込む

 

日本経済を下支えしてきた中小企業。少子高齢化は、こうした縁の下の力持ちの存在を危うくする。経営者の高齢化が企業活動に大きな影を落とし始めているのだ。

 

経営者の高齢化がもたらす影響の一つは、高齢化するほど売り上げが落ち込むことだ。

中小企業の委託調査(2016年)が直近3年間で売上高の増加した企業を経営者の年齢別に比較しているが、30代の経営者の企業では51・2%に対し、60台の経営者の企業では21・8%、70歳以上の経営者の企業では14・4%にとどまった。人間は歳を取るとともに冒険をしなくなるものだが、「守り」に入るのは経営者も例外ではないということだろう。

 

問題はそれだけではない。むしろ深刻なのは後継者不足のうほうだ。

 

中小企業白書にも取り上げられた「『休廃業・解散企業』動向調査」(東京商工リサーチ、2016年)によれば、倒産件数が2008年の1万5646をピークに下降線を描く一方で、休廃業や解散は増加傾向となってきた。2016年は2万9583件(前年比8・2%増)で過去最多となった。2000年は1万6110件だから、2倍近い水準だ。業種別に見ると、「サービス業他」の26・9%と建設業の25・4%で半数を占めている。

 

もちろん、休廃業や解散した企業には若き経営者のところも含まれているが、経営者の年齢を確認すると、60歳以上が82・4%(2016年)を占め過去最高となった。10年前に比べると50代が半減する一方で、70代および80歳以上の構成比率が増え、80歳以上の14・0%も過去一番となった。高齢社会を迎えてこうした傾向はさらに強まるとみられる。

 

さて、ここも凄く面白い部分だったので紹介。

 

経営者が高齢化した企業ほど、売り上げが落ちるというのは知らかったので面白かったですねぇ~。

という事は、ある程度の年齢に達したら、経営は若い人に任せた方が良いのでしょうか?

実験してみるのも面白そうですね。

 

また、後継者不足というのも深刻ですねぇ。

せっかく良い会社なのに、継ぐ人がいなくて潰れるのは、労働者としても国としても損失です。

 

次の部分でその辺が書かれています。

 

 

廃業した会社の半分が黒字経営

 

看過できないのは、休廃業・解散前に黒字や高収益だった企業が少なくない点だ。中小企業白書(2017年版)によれば、2013年から15年までに休廃業・解散した6405社のうち黒字企業が50・5%。利益率10%台が13・6%、20%以上も6・1%に上った。

  

大休廃業時代の到来を「潰れる企業の問題」として片付けてはならない。というのも、休廃業・解散をきっかけに、熟練した技能を持つ従業員が引退や職種替えを迫られれば、特許技術や有料技術は途絶えるからだ。外国企業えの事業部門の売却・移管、外国企業に再就職する人の増大は技術の海外流出となり、国際競争力の落ち込みにもつながりかねない。

 

地域にかかわらず、高収益の中小企業の休廃業。解散は、取引先の企業にとっても大打撃である、当て込んでいた仕事が突如として頼めなくなったのであれば、連鎖倒産するところも出てこよう。あなたの会社だって、いつ大事な取引先が廃業してしまうか分からない。

 

経産省の資料は、2025年までに経営者が70歳を超える法人の31%、個人事業者の65%が廃業すると仮定しており、2025年頃までの10年間で650万人の雇用が奪われ、約22兆円の国内総生産GDP)が奪われる可能性があると予測している。日本経済の成長分野に資する技術力やノウハウを持つ中小企業の廃業は、それこそ日本全体の「衰退」へとつながりかねない。

 

この辺はたまに耳にします。潰れる企業にも黒字の良い会社があるんです。

儲かっている企業が跡継ぎがいなくて潰れるのは、雇用も減るのでもったいない事ですね。

 

この視点はあまりないと思いますが、高い技術を持つ人間の職が奪われます。

その人がその技術を使う所が無くなるのは、労働者的にも国としても大きな損失です。

 

また、その会社だけでなく、関連企業にも打撃を与えます。

良い会社が潰れるのは、それだけ周りの会社に与える影響も大きいという訳です。

 

650万人の仕事が奪われ、GDPが22兆円も減少するのは悲しいですねえ....。

このように数字で聞くと、まだ活躍できる会社と労働者を失う事の損失の大きさを実感します。

 

 

家の中をコンパクト化する

 

使う部屋と使わない部屋を分ける

 

先に、「そんなことをしても、あまり意味がない」と考えることにそんな意味があるのと述べたが、第三のメニューはまさに、そうした対策と言えよう。「家の中をコンパクト化する」ことである(家庭内コンパクト化構想)。

 

第1部1-1でも取り上げたが、広い家に独りで住むとなると、「すべての部屋を暖房するのも不経済だから」と暖房する部屋を限定しがちだ。すると隣の部屋との寒暖差が大きくなり、結果として「ヒートショック」のリスクも高まる。

 

そこで、家の中で「使う部屋」と「使わない部屋」とを名悪に分けてみよう。「使う部屋」には、日常生活にも必要なものをすべて揃えておく。こうすれば、物忘れでモノが見当たらなくなっても、探す部屋を限定できるので見つけやすい。

 

小さな取り組みだが、若い親族が”探し物競争”に加わっている時間を削減するだけで、経済的なロスをかなり減らせるだろう。やや大袈裟に言うならGDPにも影響する。

 

働き手世代が少なくなる時代には、個々の働き手が自分の仕事になるべく集中できる環境を、社会全体で作っていかなければいけない。

 

それまで「人口減少で起こる事」を述べてきました。

そして第二章では、個人や会社ができる対策を提言しています。

 

そこでも面白い対策がいろいろ書かれていました。

その中でも良いと思ったのが、この「家をコンパクトにする」の所です。

 

小さい家に住むというのは、人口減少や少子高齢化に関わらずおススメです。

家って、実際に使うスペースはそんなに必要ないんですよね。それこそ、一人なら6畳ワンルームくらいで十分すぎるんですよね。

そんで、モノはなるべく置かずスペースを生かしておくと、快適に暮らせます。

 

狭い部屋にモノを減らして生活すれば、物忘れのリスクや掃除などの負担も軽くなります。

大きい家だとムダに家賃も掛かるので、そういう意味でもおススメしません。

 

家をコンパクト化すれば、あらゆる事が効率化します。

GDPにも影響する」という筆者の意見も大げさではありません。

 

「家が広くて手入れが届かないなぁ.....」という人は、ぜひコンパクト化してみましょう。

 

 

まとめ:いずれ来る悲惨な社会を知るための良書。

人口減少と少子高齢化が与える影響は計り知れません。

 

最近はAI関連の本が多く売ってます。その多くには、人工知能の発達で人間の仕事が奪われるという事が書かれています。

 

しかし、その予測は楽観的と言っても良いでしょう。むしろ、そうなってくれたら、ありがたいくらいです。

 

日本は将来、求められる労働力を提供できない社会になります。そうなると、今まで当たり前だった事が、そうでなくなるかもしれません。て言うか、そうなります。

 

なので、今から色々と備えておく必要がありますね。個人としても社会としても。

 

何回かこのブログで書いてきましたが、少しの不便を受け入れると、何とか少子高齢化の影響を最小限にできるかもしれません。

 

自分で出来ることは自分でやるとか、そんな事で、社会はどうにか機能すると思います。

 

今まで、日本は凄く便利でしたが、それ故に自分たちの首を絞めてきた気がします。

もちろん、僕もその恩恵は十分に受けてきました。が、これからはそうはいかないでしょう。

 

皆さんも、これからは少し不便な社会で生きることになるので、その準備をしておくと良いと思います。

 

そういう意味でも、本書は素晴らしい本なので、ぜひ読んでみると良いでしょう。

 

 

 

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