ぼっちですが何か?

地方国立大卒ニートの生活記録。精神病持ちです。

読書感想:「日銀バブルが日本を蝕む」 良い所だけではない。デメリットも踏まえて金融緩和と向き合おう。

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こんちわ、なおっちです。

久々に読書の感想を書きます。

 

紹介するのは「日銀バブルが日本を蝕む」という本です。

角川新書から発売されています。書いているのは、元朝日新聞記者の藤田智也さんという人です。

 

僕は朝日新聞があまり好きでは無いですが、何か面白そうだったので買ってみました。

読んでみると、すご~く面白い内容でしたぞ。

 

アベノミクスで進める金融緩和は、良い所が取り上げられやすいですが、そうでは無いんですよねぇ...。実際は副作用とも言える効果もあって、慎重に付き合っていかなければいけません。

 

特に行き場を失った緩和マネーが、あまり良くない所に行っていて社会を蝕んでいるという所に怖さを感じますしたねぇ....。

 

「ええ、お金があれば良い事だらけじゃん.....」なんて言ってられないんです。はい。

 

という事で、ちょっと内容に触れながら、読書感想を残します。

 

日銀バブルが日本を蝕む (文春新書)

日銀バブルが日本を蝕む (文春新書)

 

 

 

目次

 

ザックリ感想。

10月の新刊でしたが、すごく面白かったです。

金融緩和の向かう先が、けっこう悲惨な感じで、楽観的になるのは危険だと思いました。

 

今は銀行の国債を日銀が買って、お金を大量に流している状態です。

それで株価を高くしたり、雇用を改善したり、消費を促して物価を上昇させようとしている訳です。

 

しかし、日銀と政府が最終目標にする「物価上昇率2%」は、なかなか実現できないでいます。

安倍政権が誕生してから、2年で達成する計画でしたが、それが出来ずに時期を先延ばしにして来ました。

しかし、今でも達成できる見込みがありません。

 

なので、ちょっと方針を展開すべきなのではないか?というのが、本書の主論(多分)なのですが、まさにその通りだと思いました。

 

読んでみると、「う~んなるほどね~」という感じになるので、経済とかに興味あるなら買って読んでみると良いでしょう~。

 

ではでは、ちょっと気になった場所を引用して紹介します。

 

年収四〇〇万円で借金四億円超

二〇一八年二月下旬の夜、東京・新宿駅の西口の改札の前で、ある男性と待ち合わせた。

現れたのは、小柄で細身、ありふれた黒のスーツを身にまとい、黒いビジネスバックを片手に下げていた。「生真面目」を絵に描いたような若者だった。駅近くの焼鳥屋に入ったが、飲めない彼はウーロン茶とエイヒレを頼んだ。

西日本の大学を出てから上京し、現在はシステムエンジニアとして大手電機メーカーに派遣されている。お何時職場で働き続け、三十代前半で年収は四百万円台。独身で家賃が六万円のアパート暮らし。一介の平凡なサラリーマンと言えるだろう。

しかし、彼には「不動産投資家」という、まったく別の顔があった。

十三年秋から矢継ぎ早に新築ワンルームマンションを二室、中古ワンルームを一室買ったそれまで貯めた六〇〇万円を頭金として差し入れ、オリックス銀行SBJ銀行などで計七〇〇ものローンを金利二%台で組んだ。大田区や品川区など、人気エリアろは言い難い立地で、平米単価一一〇万~一三〇万円。割高な物件と言わざるを得ない。

極めつきは、既に七〇〇〇万円の借金を抱え、貯金もほとんどない状態で、一五年春からの一年あまりで三棟のシェアハウスを買い増ししたことだ。フルローンどころか、諸経費までローンでまかなうオーバーローン。スルガ銀行が一棟につき一億円超を貸しこんだ結果、借金の総額は四億を超えた。年収の百倍近くに達している。

 

第一章の冒頭の部分から引用しました。

ある普通のサラリーマンが、不動産投資で4億の借金を背負ってしまった話です。いやいや、恐ろしい......。

 

 

「なんといいますか、ずっとパソコンをいじるのが好きで、それ以外は何もいらないという生活をしていました。人付き合いも少なくて、このままではよくないんじゃないかなと思い立って、それで異業種交流会みたいなところに参加してみたら・・・・」

そこで知り合ったのが、東京・新宿の不動産会社で働く手練れの営業マン。次々とマンションを買わされた挙げ句、その営業マンが転職先で扱い始めたシェアハウスまでつかまされたという。営業マンのフェイスブックをのぞき見ると、シャンパンや高級自転車、茶髪で顔立ちの整ったウェディング姿の花嫁の写真まで投稿されている。それは気の弱い若者を食い物にしして得た富なのだろう。

投資経験の乏しい素人を「サラリーマン大家」を借金漬けにして、おいしい思いをしたのは銀行も同じだ。四億円超えの借金は、金利が二~四%台。彼は利息だけで年一〇〇〇万円超を払わされていた。

 

異業種交流会的なものに参加して、上手い事騙された~という悲しいお話です。

 

「大家」という甘い言葉でサラリーマンを騙して、その金で自分は美味しい思いをするという詐欺のような手口です。こんな事が世の中にあるのか....という地獄が見えますね。

 

んで、その手法は、まさに投資詐欺にも似た手法でした。それが次に書いてあります。

 

かぼちゃの馬車」の破綻

話は一カ月前にさかのぼる。

二〇一八年一月二十日の土曜日。東京都心の一角で、シェアハウスの投資ビジネスを牽引したスマートデイズ社(東京)がオーナー向け説明会を開いていた。同社は一三年から「サブリース」と呼ばれる一括借り上げ契約で、おおよそ三十年間の家賃収入を約束するのと引き換えに、実勢価格より三~五割高い価格で土地付きの新築シェアハウスを販売。四年あまりで約七百人の会社員に多額のローンを組ませ、一千棟を売りさばいていた。

 

しかし、スマートデイズの社長はその日の説明会で、集まったオーナーに死刑宣告を下すように言い渡した。

「もうお金がない。今月末の家賃は払えない。来月、再来年もどうなるかわからない」その二日後に取材に応じた社長によれば、同社は入居率九割などと前社長の著書でPRしたが、これは真っ赤なウソで実は四割前後しかなかった。家賃以外の収入も潤沢かのようにうたったが、月に数百万しかなく、一棟につき一万円にもならない。

要するにウソで塗り固めた勧誘で仲介業者が素人同然の会社員をおびき寄せ、億単位の借金をさせてシェアハウスを買わせていたのだ。年利八~九%の高利回りだとうたったが、家賃設定にも無理があり、一棟売るごとに数千万円を荒稼ぎし、それをサブリース

賃料にあてる「自転車操業」だったのだ。

高配当を約束して客から集めたカネを先客の配当にあてるのは、投資詐欺の古典的な手口だ。(中略)空室だらけのシェアハウスと億単位の借金を背負うサラリーマン大家は、一つの銀行の融資先だけで千二百人に及んだ。

 

 こんな手口があるんですね~。とっても上手いから、僕も騙されるかも...。

だって、家賃保証でマンションの大家になれるんですよ。そりゃ、ローンを組んででも買いたくなりますよね....。でも、そんな話はやっぱり無かったんです。

 

んで、その原因と言うか、片棒を担いでいたのは、銀行だったという事です。

 

震源スルガ銀行

「多額のローンが組めるのは、大企業で働く自分の”属性”がいいから。お金をたくさん借りられることが、まるで自分の実力のであるかのように勘違いしていた」

 

シェアハウス投資が多くの会社員を惹き付けたのは、一円も身銭を切らず、頭金ゼロで諸経費もいらない「オーバーローン」でお金を貸しまくるスルガ銀行の存在が大きかった。実際、シェアハウスを買ったのはサラリーマン大家の多くが、スルガ銀行の融資を頼りに「自己資金ゼロ」で物件を買っていた。

 「自己資金ゼロ」での融資には、いくつかの不正行為を組み合わせたカラクリがあった。

スルガ銀行の融資額は、物件価格の九割が上限だった。二〇〇〇万円のワンルームなら、頭金は二〇〇万円となる。これなら自己資金を用意できるサラリーマンも少なくない。

ところが一億人超がざらのシェアハウスでは、一〇〇〇万円超えの頭金が必要だ。働き盛りの三十~五十代のサラリーマンでそんな大金をポンと出せる人は少ない。

そこで、不動産業者らは「自己資金ゼロ」を謳い文句に客を誘う一方で、不正を承知で物件価格より多額の融資を引き出すのだ。

たとえばこうだ。四〇〇〇万円で土地を仕入れ、上物を二〇〇〇万円で立てたシェアハウスを一億円で売る。値段は割高だが、「三十年間の家賃保証付きで自己資金ゼロ」という条件なら、客を集めやすい。

次に、物件価格を一億一一五〇万円とした売買契約書を偽造し、スルガ銀の融資審査を通す。客とは「一〇〇〇万円は値引きする」という覚書を交わせれば、スルガ銀から一億円強のローンを引っ張れる。余分に引き出した融資額のなかで、諸経費もまかなえる。

 

スルガ銀行では、客が一一一五万円の支払い能力があるかどうか、預金通帳で示すことが求められる。そこで、業者は通帳を偽造する。顧客の預金残高数十万円しかない通帳なら、パソコンにスキャンした画像を切り貼りして、二桁ましの数千万円にする。昔は実際にお金を振り込む「見せ金」の手法もあったが、いまは何年分かにさかのぼって不自然さが無いかを調べられるため、偽造が欠かせなくなったのだ。

 

業者が通帳の残高を水増ししたり、偽造の契約書を作成したりで、銀行から融資を引き出していたという恐ろしい事実です。

 

 

バブルを彷彿とさせる営業モラル

スルガ銀行は個人向けローンに注力して高収益を実現し、行員給与も国内屈指の異端の地銀だ。低収益の地銀を手厳しく批判してきた金融庁長官の森信親二〇一七年五月の公園でわざわざ名指しし、小ぶりでも高収益を実現したことをべた褒めして話題になったこともある。

しかし、同行の高収益は、壮絶なパワハラと苛烈なノルマ、そしてしい数の不正行為によって支えられていた。

 

(前略)職場では「数字が達成できないなら、ビルから飛び降りろ」「お前の家族皆殺しにしてやる」といった罵言暴言が飛び交い、机を蹴る、稟議書を破る、パソコンをパンチ、首を掴んで壁に押し付けるーといったパワハラが常態化し、行員たちを追い詰めた

 

スルガ銀の融資担当者は、こう振り返る。

「売りたい業者がいた、買いたい客もいる。あとは自分が改ざんを見逃せば、ノルマが達成できて業績も伸びる。高いノルマを求められる時点で、『やれ』と言われているようなものでしょう」

 

スルガ銀行と言えば、確かに高収益と高年収で有名な銀行です。

地方銀行が人口減少などで苦しむ中、唯一といって良いほど業績を伸ばしています。サッカーの大会のスポンサーになっていたり、非常に広報活動にも力を入れていましたねぇ....。

 

そういう良い印象を与えていただけに、このような不正にまみれていたのは、凄くショックですね。

首を掴んで押し付けるとか、もはや傷害罪ですよ...。こんなことが、未だにあるのかと驚きましたが、やはりあるんですね。

 

しかし、これはスルガ銀行だけでなく、むしろ日銀が生んだ悲劇だと言うのが本書の主論です。

金融緩和で行き場を失ったマネーは、低金利もあって、更に銀行を苦しめました。業績を上げるのに必死な銀行は、不動産への融資に力を入れました。

しかし、日本はこれから人口が減っていきます。マンションを立てても、あまり効果はありません。金融緩和は、そのような市場とのミスマッチを生んでしまった、という事です。

人が住まないマンションは、維持費が掛かる上に取り壊すにも金が掛かります。我々世代への、負の遺産となるという事です。

 

行き場を失ったマネーによって我々は負担を強いられます。コレを続けるとヤバいよ~というのが、この後に書いてあります。この後もとっても面白いので、ぜひ買って読んでみて下さい。

 

 

最後に:インフレはムリだけど、金融政策の効果はあった。

ちなみに、僕はインフレはムリだと思ってます。

なぜかと言うと、日本は人口が減るうえに、人々の消費意欲も低いからです。

最近では、モノを買わない事を特徴とするライフスタイルも流行っていて、ますますこのモノを買わない流れは進んでいくでしょう。その中で、インフレターゲット2%は、無理がありますね。

 

しかし、アベノミクスを否定する訳ではありません。

雇用は金融政策で生み出すもので、その役割は十分にあったと思います。求人倍率は上がり、失業率も減少しました。雇用創出という金融政策の目的は果たせたので、その点では良かったと思ってます。

 

まぁ、この先どうなるかは誰にも分からないですし、気楽に待つのが良いのかなぁっと思ってます。

 

という事で、面白い本なので、ぜひ読んでみて下さい。

 

日銀バブルが日本を蝕む (文春新書)

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