ニートの平日

地方国立大卒ニートの生活記録。「え、ニートに平日も休日もないだろ....」という下らない日記です。

【読書感想】森口朗著「日教組」 社会学的な視点から日教組を解説する。

僕もあまり好印象を抱いていない「日教組」という組織。彼らが一体どのような組織で、どのような思想を持っているのか。そして、何がおかしいのかが分かります。

正しく理解し、正しく批判するために、この本は良いでしょう。軽く読書感想を残します。

 

日教組 (新潮新書)

日教組 (新潮新書)

 

 

 日教組の理想は共産主義

やはり、労働組合だけあって、共産主義を強く反映した組織のようですね。

一九五二年六月十六日に日教組は第九回定期大会で、「教師の倫理綱領」を採択し発表しました。これは新教育指針と異なって上(文部省)から与えられたものではありません。教職員組合自らが決めた教師の指針です。

①教師は日本社会の課題にこたえて青少年とともに生きる。

②教師は教育の機会均等のためにたたかう。

③教師は平和を守る。

④教師は科学的真理に立って行動する。

⑤教師は自由の侵害を許さない。

⑥教師は正しい政治を求める。

⑦教師は親たちとともに社会の頽廃とたたかい、新しい文化をつくる。

⑧教師は労働者である。

⑨教師は生活権を守る。

⑩教師は団結する。

 

(前略)実際には、四番目の「科学的真理に立って行動する」という条項こそが最も日教組幹部の性質を現す条項でした。というのは、ここにいう「科学的真理」とは当時「科学的社会主義」を自称していた共産主義を指しているからです。つまり、「教師の倫理綱領」制定により日教組幹部は、日教組という団体を共産主義団体だと明確に規定したことになります。

へぇ~、日教組って共産主義を掲げた団体だったんだ。

共産主義は、冷戦当時は流行ってましたけど、今はほとんど採用されていないですよね。やってるのはロシア、中国、北朝鮮くらいかな。カンボジアでも共産党が幅を利かせて恐ろしい事をしていますが、まぁいずれ恐ろしい国ですよね。

今では中国も資本主義を採用しています。党名は共産党ですがww。ロシアは経済が崩壊しかけています。北朝鮮は見ての通りです。

あくまで結果論になってしまいますが、共産主義は間違っていた事が、ほぼ証明されました。この思想を掲げているのが、「日教組」という団体ということです。

まぁ、日教組が出来た当時はまだ、共産主義も正しいと思われていたんでしょうね。ですが、今の社会には適していません。

そして、彼らは未だに共産主義を標榜していますが、それは恐ろしい事です。行く着く先は自由のない独裁政治な訳ですから、、。

 

 

「人権」は資本主義の発想

「人権」という言葉を、教師はよく使いますよね(よくも悪くも)。しかし、その人権は、実は共産主義とは相容れない考えなのです。

「教師の倫理綱領」がマルクス主義を基礎にして書かれたものであるという状況証拠は他にもあります。それは、その綱領には人権という文字が存在しないばかりか、人権思想の片鱗すら見られないのです。

 

今でこそ日教組も「人権」という言葉を多用、乱用していますが、本来これは自由主義陣営の思想です。市民革命を基礎付けた人権思想は、精神的自由とともに経済的自由を重んじる考え方であり、それを根拠づけるためには人は生まれながらにして神から自然権=人権を与えられていると主張しました。つまり信仰なくして「人権」はありえないのです。

 

人権思想という考え方は信仰を基礎にしなければ成り立ちません。我々の先人はそのことを理解し、人権思想を「天武人権論」と訳しました。日本人はキリスト教のゴッドを信仰しませんが、それにある意味で近い「天」の存在を認めます。だから日本にも人権思想は定着すると考えたのでしょう。

 

しかし、マルクス主義は、再起の法輪功禁止の文面からも分かるように、有神論=「神の存在」をマルクス主義と相容れないものとして全否定します。それゆえマルクス主義と人権思想は論理的に両立しえないのです。その証拠に一九四八年に国連で世界人権宣言が採択された際には、マルクス主義を標榜していたソ連と東欧諸国は採択を棄権しています。マルクス主義者たちは、人権思想=自由主義思想は経済的強者を利するしそうであり、自分たちの信じる民主主義=民主集中制の敵であると考えたのです。

 

ナチスドイツのユダヤ人等への弾圧が明らかになり、世界人権宣言が採択されて四年しか経っていない一九五二年当時、「教師の倫理綱領」に人権思想が反映していないといいう人権は極めて不自然です。しかし、日教組マルクス主義者のの集団だったと考えるならだ、その疑問が氷解するのです。

ほぉ~面白い。中学・高校の社会の内容だけど、ちゃんと知っている人はそんなにいないでしょう。

人権は生まれながら「神から与えられている」という発想は有名ですよね。そして、人権の中でも重要な「経済的自由」というのは、私有財産制の下で経済的利潤を求める経済体制のことです。これは明らかに資本主義の考え方です。

そして現在の共産主義国には、思想の自由や言論の自由はありませんよね。ロシアでは反政府活動をしたら粛清されますよww。そして、マルクスは神を否定しています。つまり、共産主義は神から与えられる「人権」を否定しているのです。

 

そして、日教組は「人権」を「倫理綱領」に採用していません。ここからも、日教組共産主義を理想にしているのがわかる、という訳です。もちろん、「自由の侵害を許さない」とも書いてますが、誰の「自由」なのかは分かりません。

 

共産主義」が別に悪い考えだとは思いませんが、いずれ現代の社会には相応しくない主張です。

 

日教組発足当時は、労働者を守るためのシステムとして、ある程度の信者がいたのでしょう。しかし時代が流れ、東側諸国は消滅し、遂には大本営ソ連も崩壊しました。やはり、共産主義は間違っていたのです。

そして北朝鮮が日本人を拉致しミサイルを飛ばし、中国が真正面から日本の平和を脅かすようになりました。

 

その中で、日教組は未だに、資本主義国家である日本と同盟国であるアメリカを敵とみなした思想を掲げています。日教組の大会を見れば、それは分かるはずです。

 

この本では、日教組の全てを批判している訳ではありません。良いところは良いと、しっかり賞賛しています。日教組だけを批判するのではなく、長年政権を担って来た自民党にも責任がありますからね。

 

そして、しっかりと批判するとことは批判しています。日教組を嫌いな人は、一度読んでみると良いでしょう。彼らを正しく批判できるようになりますよ。

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