ニートの平日

地方国立大卒ニートの生活記録。「え、ニートに平日も休日もないだろ....」という下らない日記です。

「少年A この子を生んで」感想 事件の原因を何かに押し付けるのは危険だと思うのよ。

こんにちわ、なおっちです。

無職なので、暇だけど金も無いので、最近は図書館で本を借りて読んでいます。

 

ほんで、「少年A この子を生んで」を読んだので感想を書きます。

「少年A」とは、1997年に起きた、神戸連続児童殺傷事件の犯人、通称「酒鬼薔薇聖人」の事です。その犯人少年Aの両親が書いたものを一冊の本にしています。

 

まず、事件について、擁護する気はないです。まず、言うまでもなく、この事件の一番の被害者は殺された人や怪我を負った人と、その家族です。最も悪いのは少年Aです。当時14歳で、善悪の区別くらい付けられる年齢です。その点だけは最初に書いておきます。

 

とは言っても、本書の事件のあった時のことを読むと、やはり加害者家族のことも考えざるを得ないんですよね、というのが最初の感想です。もちろん、両親が責任を問われる事は否定できないですが。

 

母親のメモか手紙には、事件があって、家に警察が来て家宅捜索をされ、少年Aが事情を聴くために警察に連れていかれて、という当時の流れが述べられています。この時、家族は、まだ何も知らない訳です。何も分からないまま、家を捜索され、子供は連れていかれてと、それ自体は辛かったでしょうね....。

 

それで、家族は犯人が息子(少年A)であると、家宅捜索中のニュース速報で知った、と書いてあります。「これはうちの息子のことですか?」と警官に尋ねて、「そうです」と返ってきた、と。それって凄く複雑ですよね。何でニュースで知らなければいけないんだ、と思ったでしょう。

 

それで、警察が来ると、マスコミも家に来ますし、近所の人達の目線も相当に気になるでしょう。Aの家族は、家にはいられなくなって、親戚の家にしばらくいなければいけなったようです。その他にも、弟たちをどこに預けるかとか、仕事を休む事とか、引っ越し先とか、色々と懸案することが多かった、と。加害家族にも、やはり色々とあるんですな。もちろん、事件とは別に。

 

そんで、初めて少年Aと面会した時、Aは両親に怒鳴って睨んだ、と書いてあります。両親は、そんなAの表情を初めて見たと。事件の後に子供の本性を知るのは、それは親としては辛いでしょうね。私はこんな事も知らなかったのか、と落胆したでしょうね....。親と子供というのは非常に難しい、と思います。どこかの偉い人も「親子ほど難しい関係はない」と言っているようですし....。

 

こういう事を言うと、あまり褒められないんですよね...。事件のあった時に、加害者側に同情できる点は無いのかと検証をする事は(例えば精神疾患が無かったか、など)、「加害者側に寄り過ぎだ」と言われることも多いですね。特に最近の殺人事件に関しては、やはり「殺した方が悪いんだから、それ以上でもそれ以下でもない」という声の方が大きいです。僕もそれに異論はないです。

 

でもね、やはり加害側の家族とかにも、色々とあるんですね。特にこの少年Aには、両親と、二人の弟がいます。両親に責任が無いとは思いません。少年が犯行に及んだことについて、少なくとも「少年」の親ですから、責任の一部を問われるのは仕方が無いことである事に疑いはないでしょう。

しかし、それでも、やはり家族も苦しんでいるんですね。本書を読んでも、両親は「自分に問題があった」と、自らを責めています。家族もバラバラになるし、やはり彼らも苦しんでいるんですね。そこだけは、せめて理解するようにしたいよな、と。

そして、少年の二人の弟に被害が及ぶのは絶対に間違いですよね。でも、この二人の弟たちは間違いなく世間の目で苦しんだでしょうね。世の中とはそういう場所ですから。彼らには絶対に罪はない、というのは間違いないでしょう。

 

この本を買って読むということは、少年Aの両親に印税が入ってしまうので、その点でもしかしたら抵抗がある人もいるかもしれないですね。しかし、印税は全て寄付などに当てるようなので、その辺は心配しなくて良いでしょう。出版されてから、既に20年くらい経っていますが、両親とか、その時の様子がどのようであったのかを知るには良いかもしれないですね。決して、「面白い」という表現は使いませんが....。

 

少年A本人が書いた「絶歌」という本もありました。コチラは出版時にかなり賛否がありましたね。犯人にお金が入ってしまう事も問題とされました。あの宮台真司氏も、出版には否定的に言っています。コチラを買うのは微妙なので、事件に興味のある人は、やはり本書を読んでみるのが良いでしょう。

 

絶歌

絶歌

 

 

このような事について、関係のない人間がブログなんかに書くべきではないのかもしれないですね。何も知らない人間が何かを言及するのは、事件に乗じて好き勝手に持論を述べる迷惑な野次馬と何も変わらないのかもしれないですし....。

 

いずれ、事件が起きた原因を、何もしらない人間が断定するのは意味が無いし危険だし、すべきではないとだけ思いました。本書は、事件当時の状況を知ることにのみ、用いるべきでしょうね。

 

 

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