ニートの平日

地方国立大卒ニートの生活記録。「え、ニートに平日も休日もないだろ....」という下らない日記です。

映画「スポットライト・世紀のスクープ」感想 聖と俗について。

こんにちわ。

最近は映画の感想がスラスラと出て来るようになりました。書くのが楽しいです。

そんで、『スポットライト世紀のスクープ』が面白かったので感想を残します。

 

スポットライト 世紀のスクープ (字幕版)

スポットライト 世紀のスクープ (字幕版)

  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: Prime Video
 

 

本作、賞レースでも作品賞を取ったりで日本でも名前が広がりました。

カトリック協会の不正を暴くボストンの新聞記者たちのお話です。

 

カトリック協会というと、日本だとあまり馴染が無いですが、欧米社会では圧倒的な影響力を誇る組織です。

キリストのカトリックは信者が11億人います。一番上にはバチカンローマ教皇が居て、その下に枢機卿という次期教皇候補がいて、その下の大司教、司教、司祭という順に、キッチリと聖職者の身分制が決まっており、教会という組織や規則を重視する傾向が強いです。

信者は日曜日に教会に来て、神父の話を聞いたりお祈りをする事を求められます。いずれ、「教会」という物が重視される宗派です。

プロテスタントはその逆で、聖書やイエス様を重んじます。教会に来てお祈りをする、という決まりも特にありません。信仰は個人の問題で、個人がちゃんと聖書を読んで信仰を持っていれば、それで良いという考え方です。

そんでもって、キリスト教はイエス様が産まれて、その後パウロや弟子たちが広めた辺りから存在する訳ですから、かれこれ2000年近い歴史を誇る訳ですね。ローマ帝国の国教になったのが4世紀だから、国に根付いた宗教としても、軽く1000年を超えているんですね。

 

それで、本作は宗教、それも世界で最も多いキリスト教カトリック教会をテーマにした映画です。なぜ、これほど賞を取ったり話題になったりしたかと言うと、宗教、カトリック教会というのは長い間、人々の生活の基盤として機能してきたからです。欧米社会では、キリスト教は当然あるものなんです。人々はイエス様やその教えを拠り所にしてきたんです。そのタブーに、たかが(と言っては申し訳ないが)新聞記者が挑むだなんて....。どれだけ危険か分かりますね。

 

宗教というのは、そもそも触れるのが難しいモノなのです。「聖」というのは、普段我々が接する「俗」なるものとは反対側の、人知を超越したものなのです。一般社会すなわち俗な社会で生きる人々が、聖なる教えに触れて、救いを得るのです。それが宗教です。

 

しかし、その教会が不祥事を起こしているらしい...。しかも信者に性行為を強要しているらしいと。これはマズイ訳です。神に使える聖職者たちが、そんな事をしていると知れたら教会の信用は地に堕ちます。だから、そこには触れない方が良い...。そこに、新聞記者たちが挑戦します。

 

たかが新聞が勝てるわけがない....。とボストンの偉い人は疑います。ですが、段々と取材が進んでいくうちに、教会の不正はとてつもなく大きい事実に辿り着きます。最初にボストングローブが掴んでいた事件は、まだ氷山の一角でした。実際には90人近くの神父たちが、性虐待に関わっていた可能性がある、しかも弱い立場の子供を狙っていたかもしれない、と....。ボストングローブの記者たちは熱の入った取材で、それを掴みます。

 

映画の中で、特に素晴らしかったのは、記者のマイクを演じたマーク・ラファロです。取材がなかなか上手く行かなかったり、上司と時に対立したりしますが、どうにか執筆にこぎ着けようと奮闘します。彼が熱のこもった演技が、我々に訴えかけてくるものは大きいです。おそらく彼がクレジットで出演者の中で一番上に出て来るのかな。

 

日本人は時に無宗教と言われます。実際には、葬式や初詣などで寺や神社に関わっていますが、では頻繁にお寺や神社に行って修行をする人は少ないでしょう。しかし、欧米人にとって、キリスト教は生活そのものなのです。それに切り込む事のタブーって、日本人にはあまり想像できないのでしょうね。

 

やはり宗教の名を借りる以上、聖なるものは聖なるものとして、キッチリと体裁を保ってもらいたいですよね。聖と俗を一緒にするとロクな事が無いですし、実際に日本は戦争に走りました。だから、そこは分けておく必要があるんです。オウムもそうですが、宗教が俗に降りてくるような事は、絶対にあってはいけないのです。

 

んで、そんな聖なるキリスト教の不祥事を、新聞が報じて良い事はあるのか?と聞かれると、ちょっと考えさせられますよね。触れない方が良い事もある、というのが世の中ですが、でもそれに触れるのが新聞の役目だと、劇中で記者が言います。やはり、見たくないモノも世の中にはある事を教えるのが、記者とかメディアとかの役目ですね。

 

んで、やはり宗教の名を借りて行う犯行に対して、刑罰はより重くて良いと思うのです。聖なる教えで以て人々に救いを与えるのが聖なる宗教です。その名を汚すことの罪は大きいのですよ。宗教だからこそ。罪は重くなるのではないでしょうか、と。

 

スポットライト 世紀のスクープ (字幕版)

スポットライト 世紀のスクープ (字幕版)

  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: Prime Video
 

 

そう言えば最近こういう本を読んだのですが、宗教とは難しいモノですね。事件を起こしたから宗教じゃない、とは言えないですし....。

 

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