「東京ラブストーリー2020」が面白い。リカ役の石橋静河はポテンシャル高し
アマゾンプライムで「東京ラブストーリー2020」が配信されています。FODでも配信しているようです。
元になっているのは織田裕二とか江口洋介のやつです。確か放送していたのは1991年だったかな。懐かしい人も多いはず。ちなみに僕は産まれてません。しかし時は経つのは早いですねえ..。そんな風に思う人は多いでしょうな。
広告会社に勤める長尾完治は、地元愛媛の支社から東京の本社に転勤になり、そこで赤名リカと知り合い、自由で時に滅茶苦茶な彼女に振り回されます。そこに愛媛で小さい頃からの友達の健一とさとみ、さらに健一の医大の同級生の長嶋などが絡んできて.....という話です。
主人公の「完治」は、伊藤健太郎くんという若手の役者です。愛媛の田舎者が東京に来て、悪戦苦闘したり、リカに翻弄される役柄なんですが、まぁこういう分かりやすいイケメンが合っているのかな。しかし、あんまり演技が上手い方では無いので、成長に期待。
ほんで、もう一人の主人公と言っても良い赤名リカには、いま乗りにのっている石橋静河。本作では彼女が素晴らしいです。
彼女、そういえば「夜空はいつでも最高密度の青色だ」に出てたんですけど、この映画は糞でしたね。詩集を映像にしちゃったという企画から滅茶苦茶な作品だったんで、まぁ仕方がないかな。彼女が悪いわけではありませんからね。
函館の男女の様子を描いた「きみの鳥はうたえる」という映画にも出てるんですが、これも何が伝えたいのか分からない曖昧な作品でしたな。観たあと「だから何？」という感想を禁じ得ない。若者の煮え切らない感じとか、何と表現したら良いのか分からない感情とかを、憂鬱な描写で流せば、何か味わい深くなるんじゃね？という意図が透けて見えます。「夜空はいつでも」とか、そういう映画は多いですが、それは製作の自己満ですよー。
しかし、そんな石橋さんも、今回は作品に恵まれたっぽいですね。自由で身勝手なリカに、しっかりハマってます。永尾のことを「完治」って下の名前で呼ぶ辺りもあってるんですよね～。いきなり「セックスしよっか？」なんて言っちゃうのも、なぜかわざとらしくないし。そしてこの女は上司と不倫もする滅茶苦茶な人間でもあるんですが、その辺でも嫌らしい女感が出せているなぁと。
ほんで、金持ちの医学生で、完治の幼い頃からの友達の三上健一くんってのがいるんですけど、この子もなかなかの曲者で、けっこうな遊び人なんだけど、どこか繊細な男で。清原翔くんという役者が演じていますが、なかなか上手くハマってるんじゃないかな。かっこいいし、そこそこ役も上手いし。やはり、こういう問題のある男が居ないと、恋愛ものはつまらないのですよ。彼の今後に大いに期待。
お話の方は、完治とか健一とかリカとか、または完治と健一の幼なじみの「さとみ」とか、健一の大学の同級生の「長崎」とかが、くっついたり離れたりしながら、「どうなるのか？」みたいな感じです。まぁ、普通といえば普通なんだけど、リカとか健一の癖のあるキャラクターとかは見応えアリ。
こういうのって地上波だとあんまり無いよね。まず、ガッキーとか吉岡里帆とかに、あるいは星野源とか、ああゆう万人受けする人達に、こういうことは出来ないよね。特にリカ役の石橋静河はベッドシーンでしっかり脱いでるし(石橋の身体が魅力的という訳ではなく、あくまで脱いでいること自体が素晴らしい)。
ストーリーの方でもう一つだけ言うと、仕事のシーンが少し手抜きなんですよね。スルスルッと上手く流れすぎ。半沢直樹みたいにドロドロした所があっても、面白いのでは？広告という華やかな業界とはいえ、もっと色々あるだろ、と。まぁ、あくまでラブストーリーなので、仕方がないのかな。
でも、それにしても、最近のドラマにしては、なかなか見応えある方ですよ。あんまり凝った映画とか見ない人なら、サラッと暇潰しに楽しめるんじゃないでしょうか。
石橋静河は大衆受けに行くのも良いけど、映画女優として海外の映画賞を取れるくらいになって欲しいですね、はい。それくらい彼女に能力を感じる作品です。
