映画「見えない目撃者」感想 吉岡里帆、遂に役者になったよの巻。
暇なので、家で本を読んだり映画を観ているなおっちです。東北の片隅で無職ロックンロールを叫び続ける26歳です。
新型コロナとか、そんなのは関係なくステイホームをしています。無敵の人予備軍ですね、はい。
さて、そんなダラダラした生活を送っている僕ですが、先日アマゾンプライムで観た「見えない目撃者」が面白かったです。
警察学校を卒業して、警察官として将来を期待されていた浜中なつめは、自分の不注意で自動車事故を起こし、視力と弟を失ってしまう。ある日、弟の墓参りの帰りにすれ違った自動車の中から、誘拐されたと思われる女の声を聴く。浜中は警察に掛け合うが、最初は捜査する気の無い警察。しかし警察学校時代に操作能力を磨いた彼女は、盲目ながらも徐々に事件の真相に迫っていく....。というお話です。
さて、まず気になるのが、主役が吉岡里帆ということ...。意外と彼女って微妙ですよね...。可愛いんですが、それだけにタレント役者感が否めません。メディアでそこそこ見かけますが、どんな役をやっても何か微妙だし、これと言って作品が思いつくこともありません。ファンの皆さんには申し訳ないですが...。役者として一流かと聞かれると、そうではないです。
そんで本作。あらすじを見る限り、めちゃくちゃ難しい役。今まで、キャピキャピした女の役しか思いつかない彼女ですが、パッケージの睨みつけるような表情からは、凄く殺気立ったものを感じますな......。こんな役、出来るのか.....。
でも、見てみると、これがビックリ。吉岡里帆押しは、ほどほどに抑えられています...。ちゃんと役者として機能している、とでも言いましょうか...。
まず、化粧や衣装が、役に合わせられていていましたよ。そりゃ、視力を失った元警察官で、キャピキャピした格好をしていたら台無しですからね...。
演技の方も、何か、今までの小利口でぶりっ子な、いわゆる「あざとい」感じは、どこか封印されたような。警察官としてのキャリアを失い、自分で命まで絶とうとした女の感じが、ちゃんと出てましたよ。きっと、役作りで苦労したのでしょう。実際かなりの覚悟で挑んでいたようですね。
そもそも、吉岡里帆をキャスティングする事がどうかと聞かれると、客寄せ感が全くないとは言い切れませんが、でも役として少なくとも良かったですよ、と....。
浜中は、持ち前の感覚で誘拐事件を察知します。定年間近の刑事の木村や吉野の助けを得ながら、一時はお蔵入りになりそうになりながらも、徐々に事件の形を掴んでいきます。木村役の田口トモロヲさんは、やはり良い味を出しているんですね....。窓際刑事が最後の意地を見せてきます。やはり、映画は脇役が居ないとダメなんですよね。半沢直樹の大和田然り...。
途中途中のアクションシーンもワザとらしくなくリアリティがありました。アクション映画でもないのに、凄い強い奴が出てきてボコボコ、とかなっても面白くないですからね。サスペンス映画なら、全てにリアリティを持たせないとダメなんですが、そこも合格です。
事件の真相に迫る浜中や木村たちでしたが、やはり最後には意外な犯人が...。意外性も最後にしっかりと持たせています。最後の犯人とのバトルシーンも良く出来ていて、飽きずに見られました。久々に邦画で面白い作品が観れましたよ。
と思ったら、本作は同名の韓国映画が原題になっているようですね。やはり韓国はサスペンスを作らせたら上手いですのう。悔しいですが、この分野では、日本はまだ韓国には及ばないでしょうねぇ....。