百田尚樹著『大放言』世の中の疑問に本音でぶつかってて面白い。
どうも、なおっちです。
この百田尚樹さんの『大放言』が、凄く面白かった。
新品価格 |
超大胆で鋭い「放言」を、馬鹿な若者や世の中のおかしいところにぶつけまくってる。
炎上やバッシングを恐れて何も本音で語れず、当たり障りのない事しか言えない現代に、凄く貴重で一読の価値がある一冊だった。
<本の説明>
思ったことや軽いジョークを口にしただけで、クレーム、バッシングの嵐。求められるのは人畜無害な意見ばかり。こんな息苦しい世に誰がした? 数々の物議を醸してきた著者が、ズレた若者、偏向したマスコミ、平和ボケの政治家たちを縦横無尽にメッタ斬り。炎上発言の真意から、社会に対する素朴な疑問、大胆すぎる政策提言まで、思考停止の世間に一石を投じる書下ろし論考集。今こそ我らに“放言の自由”を!(説明より)
現代は“言葉狩り”の時代だよね。
ちょっと過激な意見を言っただけで炎上したり、世の中から大バッシングを受けたり。
本音や軽い冗談を言っただけで「問題発言だ」と叩かれる。
最近はテレビの番組でも、当たり障りのないつまらないコメントが多くなったのも、このような今の風潮が影響していると思う。
<やればできると思っているバカ>
「自分はやればできる」というのは魔法の言葉だ。
この言葉を常に心に持っていれば、どんな逆境にも耐えられる。「できない自分」に直面しても、「駄目な自分」の姿を見せつけられても、心底落ち込むことはない。落ち込んでも、「俺はやればできるんだから」と呟けば、たちどころに勇気が沸き、強い自分を取り戻すことができるのだ。(P24~25)
自分はやれば出来る、と勘違いしている人は多い。
しかし、それは本当に出来る人、言い換えれば既に実績のある人間に対して言う言葉、だと思う。
何もしたことが無い人に言うのは、違うよね。読んでいて、ハッと気づかされた。
やってもいないのに、「君はやれば出来る」と言ってしまうのは危険だし、その人の事を本気で思っているとは言えないよね。
ろくに努力もしないのに、「自分は出来る」という空虚な自信を植え付けて、いざ現実を見ると、出来ない自分に耐えられないかもしれない。
この“空虚な自信”が崩れる時は、本人が一番傷つくよね。
「やればできる」と、やりもしない人間に言うのは止めよう。出来ない事を自覚する事も、大事だから。
<自分を探すバカ>
二十年も生きてきて、学校でも会社でも、あるいは友人たちとのふれあいでも見つからなかったものが、半年やそこらで外国を放浪したくらいで見つかるのだから、「宝探し」としては、実に手頃だ。(P37)
大学生になると、自分探しの旅に出る人が多い。
僕は薄々ではあるが、疑問を感じていた。
いや、別に否定するわけじゃないし、別に見つかれば良いと思う。
でもね、「旅」という特別な時間で、自分という生き物は見つかるものなのか?
逆に言うと、多くの時間を過ごす日常生活で見つけないと、意味が無くないか?
普段の生活で、自分の得意な事や苦手な事などを考えて、自分と言うものを理解していくものだと思っている。
本にも書いているけど、20年も生きていて見つからなかった物が、ちょっとt遠い場所に旅に出て見つかったら、「自分とは何だったの?」とならないか(笑)?
その二十年間って、何だったんだ。おそらく、物凄く空っぽな時間だったのだろうな。
まぁ、もちろん知らない物に触れたり、違う文化を知る事で、「あぁ、自分はこういう人間なんだなぁ」と気付くかもしれない。
“自分探しの旅”。まぁ、否定はしない。
<なんでもコスパで考えるバカ>
実はこの満足感というのは数値化できないものだ。
例えば三万円のスピーカーより十万円のスピーカーの音が三倍いいかなんて、誰にもこたえられない。
大袈裟なことを言うようだが、この数値化できない「何か」が、人生の幅を広げてくれているような気がする。(共にP65)
生活費を抑えるために、よく使われるのが「コストパフォーマンス」という言葉。最近よく聞く。
でも、何でもコスパ(費用対効果)で考えるのは、寂しいよなぁ。
欲しい物は、ちょっと高くても妥協しない方が後になっても大事に使うと思う。
「やっぱりあっちの方が良かったなぁ」と後悔するのは、良い買い物とは言えない。
数値化できない何かが人生の幅を広げてくれるという一文に、強く共感。
ホントに欲しい物は、高くても妥協しない。これが、賢い消費だ。
価格差ほど性能に差は無いかもしれない。安い商品の方が性能が良いかもしれない。
でも、自分が好きになれないと、意味が無いよね。
出来れば、コスパ生活から卒業したい。けど、なかなかそうないかない。
難しいよねぇ。特に今の若い人はお金ないし(僕も)。
<まとめ:的を得た本音が満載>
問題発言、と思われる事が多い筆者の百田尚樹さん。
でも、実は言っている事は間違ってないし、発言の意図が勘違いされている事も多いんだよね。
この第一章は、「現代の若きバカどもたちへ」というテーマ。僕にも当てはまる事が多くて、ビックリ。
「やればできる」と勘違いしていた時があるから、出来ない事を知る事も重要だと思った。
自分探しの旅に出ても。実際にはそんな簡単に見つかるものでは無いと思う。
コストパフォーマンスで物を考えるのは、面白くない。
どれも当たり前だけど、改めて実感した。
それでいて、クスッと笑えるような文もあったり。そういう意味でも、この本は好き。
思った事を口にすると、何かと批判されやすい世の中に疲れている人や、今の自分、社会に疑問を感じている人は、一回手に取って欲しい。