島田裕巳「日本の新宗教」読書感想 宗教の発達には社会の変化が関連している
どうも、のんべんだらりと生きている者です。納税者の皆さま、お疲れ様です。
さて、だらだらと映画を観たり本を読んだりしているのですが、最近は宗教とか、社会とかの本を読んでいて、けっこう面白いんですよね。
そんで、有名な宗教学者の島田裕巳先生の「日本の新宗教」という本を読んだので、感想を残します...。
島田裕巳先生とは、大学で宗教学を教えている人です。怪しい新興宗教の教祖とかではないです。
テレビなどで宗教問題を取り上げる時には、出演したりしています。オウムの時には、一部オウムを擁護するような発言があったりで、物議を醸したりとか何とか...。また、日本神道を批判して保守の人と喧嘩したりとか...。いずれ、面白い人のようです。
そんで、本書は「新宗教」について書かれています。新宗教の定義は、幕末から明治初期にかけて誕生した宗教のことだそうです。別の名前を新興宗教とも言います。後者の方がなじみがありますね....。
新宗教にはどのようなものがあるのか、その教団はどのように発生して、どのように勢力を伸ばしていったのか、その背景にはどのような社会情勢があるのか、などについて詳しくかいてある訳です。
面白かったのは、新宗教が勢力を伸ばすのは社会が変わる時だという所です。関西に拠点がある天理教は幕末に誕生して明治期に弾圧を受けながら勢力を伸ばしていったようです。また、皆さんご存知の創価学会は、戦後に大きく勢力を伸ばした、と....。
いわく、社会の変革期は、人々の生活が大きく変わります。それまで自分を構成していたもの、共同体や文化などが大きく変化します。その時に、人は自分という存在を保証してくれる存在を求めるのですよ、と。
本書によると、創価学会は農家の次男などが多かったようです。それは戦後の高度成長で農村から都市部に就職する人が多く、その人々はそれまでの農村のコミュニティから離れて孤独になり、新たなコミュニティへの所属を求めたのだ、と....。
宗教は、世の中が進化したり経済が発展すると世俗化して、衰退するという印象を持っていたのですが、むしろ新しい宗教が出てきやすい、という事のようです...。今後、AIなどのイノベーションで第四次産業革命があるようだと、また新たな教団が現れるのかもしれないですね.....。
また、新宗教は「神憑り」がキモで、神が何かに憑依するというのがカギのようです。その辺も本書に書いてあります。まぁ、神憑りと言うと、幸福の科学の大川総裁のように「守護霊」のようなものなのでしょうかね...。