ニートの平日

地方国立大卒ニートの生活記録。「え、ニートに平日も休日もないだろ....」という下らない日記です。

読書感想:百田尚樹著「鋼のメンタル」 いつも意表を突いた意見で驚かせてくれる筆者のメンタル管理。

いつも鋭い意見で議論を盛り上げる著者の百田尚樹氏。

「大放言」ではバカな現代人を斬りまくり、「戦争と平和」では歴史から日本人が戦争に向いていない民族である事を述べ、さらに現実的に戦争をしない方法を提案しました。特に「戦争と平和」は、現代の日本人は全員必読です。誇張抜きに。

 

そして、本作は数々の炎上を経験してきた同氏が、メンタル管理術を述べています。ちょっと意外なメンタルコントロール術ですが、きっと参考になるはずです。

 

鋼のメンタル (新潮新書)

鋼のメンタル (新潮新書)

 

 

 

 

メンタルを免震構造にせよ

免震構造とは、衝撃に応じて揺れろ、という事ですね。なるほど。

最近は高層ビルも免震構造というものを採用しています。頑丈な鉄筋コンクリートで、地震の揺れに立ち向かうのではなく、その揺れを受けてビル全体が揺れることによって、その衝撃を逃がしてしまう構造です。人間もこれを取り入れるべきです。(P53)

 人間をビルの「免震構造」に例えるとは、面白いですな。

 

人生の暴風雨に対して、男らしく弱音を吐かずに立ち向かうという姿勢はかっこいいものです。でも皆さん、そのせいで心の深いところで金属疲労を起こしたり、突発的強風で根こそぎ折れたりすることがないようにしてください。そのためにはメンタルを免震構造することです。ショックなことがれば、がんと跳ね返すよりも、一旦それを受けてへこみましょう。

 共感!弱音も吐かない愚痴もこぼさない「男らしさ」は確かにカッコいいです。でも、それだと確かにストレスになります。嫌な事があった時、その時は上手くごまかせても、後になって傷になるんですよね。そして、知らないうちにどんどん蝕まれていいく、という悪循環。

一方、女性は発散が上手いです。一方男性はその辺が下手です。男性の自殺者が多いのは、これが関係しているでしょう。

ぶっちゃけ、「男らしさ」とかクソだと思いますけどねww。しかし、世の中は男性に対して、それを求める傾向が強いです。そんな下らない考えは置いておいて、健康に生きる方が大事です。言うまでもなく。

 

すると面白いもので、人間というのはへこんだ後、ちゃんと元気になるのです。それを我慢して、あるいは何でもないことだと自分を騙して無理をすると消えたと思っているショックが見えないところで後後までも尾を引いていることがあります。(後略)

不平不満を口にするだけで、意外に楽になるものです。(後略)(P54)

ダメージを受けたら、ちゃんとへこみましょう。嘘をついてまで、強がる必要はありません。そんなことしてると、心に見えない傷が溜まっていきますよ。そして、気付いたら鬱になっていたり、、。これでは話になりません。

不平不満は、ぜひ口にしましょう。友達や家族がいる人は、ぜひその人達に言いましょう。貯め込むより、よっぽどいいはずです。僕みたいに友達がいない人は、直接言いましょう。クビになったり、職場での立ち位置が悪くなるかもしれませんが、心を病むよりはいいでしょう。

大事なのは、「ホントにショックな事に凹んだり落ち込んだりする」ことでしょう。何にでも落ち込んでいたら疲れますし、自分の時間が勿体ないですからね。

 

心を壊しているのは自分?

精神を病む人は、外部からのダメージが原因で消耗するとよく言われます。しかし、ホントはそうでも無いようです。自分で必要以上に追い込んでしまっている、ことが多いようです。

でも実は、心は外からのダメージには意外に強いのです。それよりも内側からのダメージに弱いのです。つまり敢えて言えば、心を壊す人は、自分で壊しているようなところがあります。人は環境の変化によってダメージを送ることがありますが、実は環境の外部からのダメージを受けているのではなく、自分はその環境にいるという意識が心にダメージを与えているのです。

あぁ、確かに。心を病む人は、自分で色々と考えてしまいますよね。そんなに気にする事でもないのに。

 

大ヒットTVドラマ「半沢直樹」の中に、メガバンクを左遷されて子会社に出向させられる行員の話がありました。出向が決まりそうな時に、彼の心のイメージ映像のようなシーンが繰り返し出てきました。どこかに穴が開いて、ボタボタと何かが垂れ落ちるような映像でした。彼はまさに死刑判決を受けたかのように苦悩します。(P90~P91)

半沢直樹みてましたよ~。面白かったですよね。あれを超えるドラマは今後現れないでしょう。

左遷された行員は、近藤でしたね。今はビックスターの滝藤賢一さんが演じてました。小木曽という課長が机をバンバン叩いて「帰れ」と怒ったせいで、彼は統合失調症になってしまいましたね。その後、小木曽は半沢と渡真利に負けて出向になりましたがwwwあれはいい気味だったなぁ~。

 

ドラマですから私もそのシーンに感情移入して楽しみましたが、実は心のどこかで違和感のようなものを覚えていたのは事実です。というのは、彼が死刑判決を受けたように感じたその出向先の会社では、多くの社員が普通に働いているからです。メガバンクで一生働いていくつもりった彼にとっては、最悪の職場に放り込まれた気持ちかもしれませんが、初めからそこで働いている社員にしてみれば、自分の会社をそんなふうに見放されるのは許せない気持ちになるののではないでしょうか。(P91)

出向先は「タミヤ電機」でしたね。そこで、社長のタミヤ経理課長の野田にイジメられるんでしたよね。「融資の一つも取って来れねーで経理部長だもんな。良いよな銀行さんは」とか言われて、会社で冷遇されていたのは、凄く辛そうでしたね。その後、会社の粉飾が明るみに出て、近藤は息を吹き返すのですが、、。

たしかに、近藤も考え過ぎたところがありました。しかし、流石にあれほどのパワハラと嫌がらせを受けたら、誰でもそうなるんじゃないですかねぇ。彼にも原因があると言うのは厳しい気もしますが、、、。この辺は意見が分かれそうですね。

 

人は皆、自分はどういう生き方をするかという想定を無意識に持っています。それは生きていく過程で徐々に失われていくのです。前述のドラマの行員は「一生をメガバンクで過ごす」という想定を抱いていたのでしょう。つまり彼は、「自分が思い描いた理想」によって壊されたとも言えます。

つまり心を壊すのも自分なら、それを立て直すのも自分だということです。

理想は、時に自分を殺してしまうという事です。

たしかに、高すぎる理想を持つと、それと自分とのギャップに苦しんでしまうのは、よくあることです。

理想は常に持っていたいですよね。理想がなければ、生きている意味も感じないじゃないですか。しかし、「自分が描いた理想に潰された」というのは、残酷ですね。リアリストな百田尚樹氏ならの意見ですが、これをどう考えるのかは、僕も疑問です。人のせいにするか、自分のせいにするのか、、。

近藤にそのような扱いをした社員は明らかに良くないし、それは近藤自身にも原因があると考えるのか、、。これは議論になりそうですな。難しい問題です。

 

 

他人の悪口を言おう

他人の悪口を言おうなんて斬新ですな。多くの自己啓発本などでは、「人の悪口は言わない」と書かれていますが、、。この辺は自己啓発本嫌いの著者の考えが現れていますね。

先ほども書きましたが、世の中には「他人の悪口を言うのはよくないよ」とは発言する人がたまにいます。はっきり言いますが、そういう人はほとんどの場合、偽善者です。

あぁ確かに!小学校1年生で先生が言う事を、そのまま受け入れているような人って、めちゃくちゃ腹立ちますよね。

そして、そういう「自分の醜さ」的な性質を隠す人って、ぜったい性格悪いですよねww。

 

偽善者にも二通りあります。一つめは意図的にいい人を演じている偽善者で、しばしば裏で他人の足を引っ張ったり、犯罪のようなことをするタイプです。詐欺師などはその典型です。(後略)

二つめは無意識にいい人になろうとするタイプです。おそらく子供の頃から、「他人の悪口などは言うものではありません」と同じような偽善者の両親から育てられたのでしょう。

私はそういう人を信用しません。なぜならそういう人は自分にも嘘をついているからです。自分に嘘をつく人間は、他人にも嘘をつきます。(後略)(P125)

意図的にいい人を演じている人は、多くいます。て言うか、ほとんどの「悪口言うな」人間はこういう奴です。裏では平気で人の悪口を言っています。そして、人の揚げ足を取りに来ます。コレ、マジで。

人の悪口を言う人は絶対陰で自分の事も言っていると思っています。これは間違いないです。が、そんなの当然と割り切って、むしろ堂々と悪いところを隠さない人の方が信用できるのかもしれないですね。人間ですから、そりゃ不満くらい溜まりますから、、、。

以前、「陰口をたたく人は信用できない」と書きましたが、かなり考えが変わりました。人なんて、全員どこかで他人の悪口は言っています。多かれ少なかれ、、、。

 

 

あくまで紹介なのでここまで。

2年くらい前の本で、堀江氏の「本音で生きる」に似ている所があります。が、全く違う所もあります。いつも大勢の逆を行く意見で驚かせてくれます。

 

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